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BENCH2016


台のようなもの。シンプルなベンチ、もしくはテーブル。

なんでもない台のようなベンチを作りました。

建築家の坂本一成さんが手がけた住宅や自邸に収められた、非常にシンプルな作り付けの棚や食器棚が、愛着を持って何十年も使われ続けているその表情を見て、aemonoは、人の生活と共にこういう経年変化をしていくものを作りたいと思い、坂本さんのもとへ相談に伺ったのが事の始まりです。建築家が物件のためにひとつふたつ特別に作る家具も、今の時代なら少しずつ作って売ることができるのではないかという提案をし、坂本さんから「ありうる」と返事をいただきました。まずは一番シンプルなものからと、東工大蔵前会館の設計などに合わせて製作されたベンチを作ることにしました。当時は合板に化粧として突板などを貼る加工が施されていたベンチですが、デザインの細部や表情は変えることなく、時代性を踏まえ、素材は合板だけでもっとシンプルな作りに。シンプルだからこそディテールが重要で、合板は素材同士を接合する精度の高さが、仕上がりの美しさに如実に表れます。「BENCH 2016」の製作を行うイノウエインダストリイズは、合板の特徴を熟知した職人が働く工場。 日常に寄り添い、長く愛用されるであろうさりげないこのベンチは、東京・杉並区高円寺の住宅街の小さな工場で丁寧に作られています。













text. 神 梓

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